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 2006年2月 沖縄ツアー
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沖縄ツアー第6日目: 中城村での想い込み上げライブ
今日は、前回のツアーのライブで、僕の音楽を気に入ってくださったYさんのお宅で、ホームコンサートでした。
中城村(なかぐすくそん)にあり、広大な海が一望できる、素敵なお宅です。
玄関には「歓迎 重松壮一郎さん」と貼り出してあり、お部屋の中は、お客様のための飲み物やご飯も用意してくださっていて、このコンサートのために、何人もの人が、たくさんの心を尽くしてくださっていることが、一目で分かりました。

中城城(なかぐすくじょう)へ
ピアノの状態を少し確認した後、リハを始めるまで少し時間がありましたので、中城村の誇る世界遺産「中城城」(なかぐすくじょう)を見に行きました。
中城城は戦火に会ったために、いまは門や城壁しか残っていません。でも、広大な敷地にたくさんの緑が生き生きとしています。鳥がたくさん歌い、花がたくさん咲いています。石垣は日本の城ではなく、まるで西洋の城のようです。高台にあり、上には空しかなく、まるで「天空の城ラピュタ」!!

僕は、歩きながら、密かに思いついたメロディを心とどめておきました(念のため、携帯のボイスレコーダーにも)。
そのあと会場に戻り、軽くリハーサルをし、今日はどんなライブにするか、どの曲を弾くか、イメージしました。外からは、ほんとにたくさんの鳥の歌が聴こえてきます。暑すぎず、寒すぎず、とってもさわやかで気持ちいい気候。今日は、この素敵な空間を即興で紡いでいくのがベストだと判断しました。

みなさんに見守られて
そして開場の時間。ご近所の方、ご親戚の方、老若男女が30人ぐらい集まってくださいました。
みなさんがピアノを囲んで温かく見守ってくださる。外からは鳥やカエルの鳴き声が響き、ほんとにほんとに、全てが心地いい空間。
僕は、そこに、ほんのちょこっと色を添えるだけでいい。
即興で紡ぐ僕の音は、その場のみなさんのお心を、そのまま音にしていけばいい。
live photos

想いがこみあげる
実は控え室でひとり、僕が5年ほど前に初めて沖縄に来たときから、今日までの道のりを考えてたら、涙が出て来てしまった。

あのとき、僕は、会社勤めで、疲弊していた。毎日の残業。心身ともにぼろぼろだった。でも、たまたま訪れた初めての沖縄で出会ったこの海、空、森、鳥の歌声、とびかう蝶々、たくさんの花、ゆるやかな時間の流れ...。
僕はその全てのおかげで、生きかえった。自然というものの素晴らしさを再認識し、それ以来、何度も何度も沖縄に通った。いつしか、僕はすべての命のために音を紡ぐようになっていた。いまの僕があるのは、沖縄と出会ったからだといってもいい。

そして、念願の沖縄でのライブが実現したのが昨年の10月。そのときも、感慨深かったけど、今日のこの日は、より一層、想いがこみ上げた。だって、ここはウチナンチュー(沖縄の人、沖縄出身の人)のお宅。たくさんのウチナンチューに囲んでいただいている。いち観光客だった僕が、ウチナンチューのお宅に招いて頂いて、演奏することができるということに、自ら感動してしまった。

いつも帰りの飛行機では、遠ざかる青い海を見ながら、涙した。ずっと遠かった沖縄。
それが、今日はこうして、迎えてもらっているのだ。

鍵盤に向かい、弾き始める前に、その想いが自分の中で静かに噴き上げ、それが音になって出た。
弾きながら、泣いてしまった。

90歳近いYさんのお父様は、まるでダライラマ法王様のような満面の笑顔で、1曲ごとに拍手をくださる。
みなさんも、たくさんの拍手をくださる。一緒に来てくれた、ゆみこちゃんも尚人さんも一紗も、嬉しそうにしてくれている。幸せだった。ほんとにほんとに....。

楽しい時間みんなで歌って踊って
ライブのあとは、飲んだり食べたり、さらに沖縄民謡大会になり、僕も「安里屋ユンタ」で三線弾きながら歌ったり、「芭蕉布」で三線とピアノでセッションしたり。
最後は、みんなで円になってぐるぐる回りながら踊って、とっても楽しいひとときでした。

この場を作ってくれたYさん、ご家族・ご親戚のみなさん、ほんとうにありがとうございました。
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