本文へジャンプ
music for all living things ホーム  |  お問い合わせ
テーマと取り組み ライブ・スケジュール 作品 プロジェクト 日々のレポート
日々のレポート
ブログ
ツアー・レポート
ライブ・レポート
食べたもの日記
ツアー・レポート
 2004年 夏旅2004
8月5日(木) 前のレポート  |   次のレポート 
夏旅2004 第2日目: 直島ベネッセ地中美術館
今日は直島の観光の目玉とされている、ベネッセの「コンテンポラリー・アート・ミュージアム」と「地中美術館」に行きました。地中美術館の方は今年の7月にオープンしたばかりです。
朝ごはんのとき、宿のお母さんが「今日どこ行くん?ベネッセかいな?わしらオープン前に、タダで行きよったんけどな、あんなもんどこがいいんだかわからへん。普通ならな、2000円もとるんやて、ほんま誰が行くかいなと思ったで。まあでもわしらはようわからへんけどな、好きな人はいいんやろな」と言われて、ベネッセと島民との温度差を感じつつ、バスで向かいました。

ふつうはオレンジ色
道路の鉄柱もコンクリ色
 
コンクリート地獄のおでむかえ
まずは、コンテンポラリー・アート・ミュージアムの方へ。直島のベネッセと言えば、安藤忠雄の建築物。のっけから、コンクリート地獄。なぜ地獄かと言うと、僕はコンクリートの臭い、質感、人工的なイメージ、全てあまり好きではないのですが、安藤忠雄はコンクリートが(おそらく)大好きなのです。だから、ここの建築物は巨大なコンクリートのかたまりです。コンクリがあまり好きじゃない人に対して、入るなって言っているようなはじまり方でしたが、とにかく入りました。

いきなり総評なのですが、僕の好きなウォーホールの「Flowers」と、最初にある原爆をイメージした作品以外は、うーーーん、という感じ。でもアートだから、好き嫌いで判断していいと思うので、いいのだけど、でも作品数は少ない印象でした。だから、物足りなくて、次に行く地中美術館にすぐ移動しました(でも今までは地中美術館はなかったんだよなぁ....)。

その途中、道ばたの鉄柱までテーマカラーのコンクリ色に塗られていて、びっくり(普通はオレンジ色)。道路交通法とかにひっかからないの?そのうち、安藤忠雄は木々までコンクリ色に塗るんじゃないだろか....などと下らないことを考える。

地中なので良く見えません
こんな素晴らしいところにある
 
コンクリ臭いっ、やりかたが気分悪い!、でもモネは素晴らしい
こちらはまずエントランスで係員に署名をさせられました。「作品だけでなく建物空間全体を作品と捉えておりますので、壁などにも一切触れないで下さい。よろしければご署名を...」ちょっと気分悪かったけど、ここまで来たのに入らないというのもないので、2000円払い、署名して入場。「壁にも触るなって、もしおばあちゃんがよろけたらどうするんだ?」なんて思いながら入った。

おお、ここもコンクリがすごい。臭いけど、がまん......。そして、「モネの部屋」へ。モネの睡蓮が展示されています。しかし、案の定、入る際、靴を脱ぐ時によろめいて壁に手をつこうと人に対し、「あっ、壁には触れないで下さいっ」とスタッフが注意していてびっくり!これは気分悪い....。ともあれ、モネの睡蓮は、ただただ素晴らしいにつきる。これに2000円は払ってもいいかと思わされる。睡蓮を見せるための、安藤忠雄の空間設計も素晴らしい。これはすごいなって思った。

本文とは無関係。今日の良くとれた写真
美しき島の夕暮れ
 
「現代アート」ってすぐに「現代的」でなくなってしまうものなんだなぁ。最新の美術館なのに
他の作品は、2作家のみ。空を切り取ってみせる作品など。これはふだんは特に認識しない空を切り取って見せることで空を再認識させる意図の作品なのかな。だとしたら、現代の都会人は普段から四角い空を見ているので、さらに見せられてもなって思った。現代アート「だった」のかもしれないけど、本当にいまの現代人(都会人)の感覚には合ってないなって思った。

そして、安藤忠雄もそう。コンクリの巨大物って、古臭いと思った。僕が思う、いまの現代感覚って、自然回帰への願望、環境への配慮が当たり前っていう感覚、アートを庶民レベルで楽しめるものにする、アートを五感を使って楽しむ、などだと、僕は日々感じている。だけど、ここではそういった感覚は皆無だった。自然との隔離、カフェでの使い捨て容器の使用、島民との温度差、アカデミックで近寄りがたい雰囲気、コンクリの臭気や都会的な質感......。
それに、どんなに偉大な作品だったとしても、人間と作品なら作品の方が大切という感覚。きっと火事があったら、ここのスタッフは、人命より作品を守るでしょう.....。それって、作品を命よりも上に位置付けていて、その生命感覚って、作家が望んでいることなのだろうか。

あと気になったのは、視覚に特化するため、音(聴覚)の遮断がかなり行われていて、音に携わる僕には、ちょっと不満も残った。

すみません、文句ばかりで。でも、とにかく、現代的じゃないなって、非常に感じた現代美術館&現代建築めぐりでした。
たまらず、宿に戻って、また海に飛び込みました。人工物に囲まれ、自然に回帰したくなりました。

(でも「地中カフェ」のモネ・レシピのバナナアイスと、ミルクと葛のプリンはおいしかったし、モネもよかった。それに、六本木ヒルズとかじゃなくて直島に美術館を作ると感覚もいいと思う) 
前のレポート  |   次のレポート 
 
このページのトップへ
プロフィール       ニュースレター登録       リンク集       ご利用にあたって       |         ブログ