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 2005年12月 熊本ツアー
12月20日(火) 前のレポート  |   次のレポート 
熊本ツアー第14日目: グループホームへ(2日目)
僕は、昨日から、福祉施設で演奏をしています。
グループホーム、デイサービスなど、3日間で8軒まわります。
今日は2日目。玉名地域のグループホーム2軒と、デイサービス1軒を周ります。
昨日は、施設をまわった後に、フルートの栗谷かずよちゃんと、シンガー川原一紗と3人で、ホームコンサートに出演し、そのあとパーティでも演奏し、大忙しだったのですが、そのときに、一紗も今日の施設まわりに誘いました。彼女は夜にライブなので、午前中に行く1軒だけ、一緒に行くことになりました。

日の当たる部屋で
今日の一軒目。とてものどかな田舎の集落に、そのグループホームはありました。
通されたお部屋は、正面にピアノがあり、そこにぽっかぽかの日が射しています。その周りをたくさんのおばあちゃん・おじいちゃんが輪になって囲んでくださっていました。一番手前のおばあちゃんたちは、ピアノの前に並んで正座して、今か今かと待っているご様子。右奥では、車椅子に座って、黙って、優しい顔で微笑んでくださる方。かたわらで手を握るスタッフの方。

陽も、笑顔も、時間も、空間も、全てが優しく暖かい光に包まれて、その場にいるだけで、涙が溢れ出る。
僕と、かずよちゃん、一紗は、いまからここの空間に、音を届けようとしている。

僕は、この光景を一生、忘れないだろう。
それぐらい、素敵な空間でした。

1曲目は、「この道」。メロディを吹くのはかずよちゃんのフルート。一紗は、みなさんが歌いやすいようにうまく導く役。かずよちゃんがこのメロディを吹き始めたら、おばあちゃんの目から、ツツーっと涙がこぼれました。
フルートとピアノのほんとにシンプルな演奏に重なる、小さくて、弱いけど、1つ1つ思い出しながら歌ってくれるみなさんの歌声。この優しく暖かな空間にやさしく広がる音。

30分の演奏が終わり、アンコールをいただきました。
アンコールは、「Amazing Grace」。一紗に、思いっきり、精一杯、歌ってもらう。僕とかずよちゃんの音も、それを支え、交わる。歌う一紗の左手を、ずっと握ってくれる傍らのおばあちゃん。あったかいおばあちゃんの手から、たくさんのパワーをもらって、涙こらえながら、精一杯、一紗がうたう。

終了後、みんな大拍手!
「よかったー、よかったー」と手を握って、涙を流しながら喜んでくださるおばあちゃんたち。僕はサイン攻めにあっちゃった。
帰り際、テラスでおばあちゃんたちがまた手を握ってくださる。「また来年も来てね」。はい、必ず来ます。
車がゆくまで、ずっと手を振ってくださる。

今日の2軒目、3軒目でも、みなさんの歓待を受け、たくさんの喜びと涙をいただきました。
2軒目の施設はデイサービスなので、比較的、軽度の症状の方々。そこにはピアノも何もなかったので、かずよちゃんのソロ・ステージでした。僕は横っちょで、手拍子したり、一緒に歌ったりしてたのだけど、若い男性だから、施設には珍しいお客さんらしくて、終わったあとも、おばあちゃんたちに囲まれちゃって、写真撮影したりしました。

二日目を終えて、「あー、これを自分のライフワークにしたいな」と思いました。
ふだんの自分の曲を演奏するライブがもちろんメインの活動であるけれども、自分のやりたいことだけでなく、自分にできることで、みなさんにこんなにまで喜んで頂けるのなら、僕はこれからさきも、続けてきたい。

明日が最後の日。阿蘇の施設を2軒まわります。
がんばってきます。
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