「ながさきピース文化祭2025」で僕が主催しているイベントの一つ、
「未来へと語り継ぐ声〜原爆文学朗読ワークショップ&コンサート」を
この2日間、長崎シビックホールにて開催いたしました。
被爆者の平均年齢が86歳を超え、
被爆者自身による記憶の語り継ぎが次第に難しくなっている中、
私たち一人ひとりが被爆の実相を伝える「語り部」となり、
記憶を未来へつないでいくプロジェクトです。
1日目の朗読ワークショップは、15名募集しましたが、
早い段階で定員に達しました。
事前にそれぞれがどの作品を朗読するかを決め、
1日目はフリーアナウンサー斉藤絹子さんの朗読指導のもと、
発声練習から始まり、実際に朗読をしてアドバイスをもらったり、
お互いに読み合って意見交換をしたりして、
3時間半、みっちり練習しました。

2日目はその成果を発揮するコンサート。
朝からリハーサルを行い、
少し緊張するなか、スタートしました。

今回採用した作品は、
永井隆「ロザリオの鎖」「この子を残して」
永井博士の遺児・筒井茅乃「娘よ、ここが長崎です」
から、選びました。
僕のピアノは、
皆さんそれぞれの声質、高さ、速さ、リズム、声量、
そして何より、物語の内容、流れ、言葉一つひとつに合わせて、
即興演奏で重ねていきました。
皆さんには、
「一人で読む時とは異なり、僕と息を合わせてください」
とお願いしたのですが、
皆さん、見事に息を合わせてくださいました。



中学2年生から、90歳の方が出演してくださいました。
今回、初めて朗読に挑戦される方もいらっしゃいましたが、
それぞれが、想いを込めて、丁寧に丁寧に読んでくださいました。
戦争を経験されている90歳の方が重ねてきた人生、
年輪を感じるその声から紡がれる朗読には、
みんなが心を震わされました。
僕も演奏をしながら、
それぞれ違う声を持っていることの素晴らしさ、
それぞれが朗読に込める想いの素晴らしさに、
ときには涙しました。
終演後に撮ったこの写真の笑顔が、
とても充実した時間であったことを物語っています。
2日間の日程を共に過ごした皆さんには、
いつの間にか、目に見えない絆のようなものが生まれていていました。
これからもつながりを保って、またきっと企画しましょうという話をしました。
ご参加くださった皆さん、聴きにきてくださった皆さん、
斉藤絹子さん、シビックホールさん、
ありがとうございました!

