日々のレポート

2010年4月アーカイブ:


カフェスローOSAKA(大阪)のライブ・レポート

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ずっと不安定な天候が続いていたけれど、グールデンィークに入り、やっと春らしくなってきました。
今日から20日間ほどのツアー。関西〜東北〜関東をまわります。

まず今日は、大阪・十三にある「カフェスローOSAKA」で昼夜2回公演。
僕の祖父母の家(母の実家)が大阪だったので、大阪は生まれた場所でもあり、子どもの時からなじみのある場所です。
十三は子どものときは来たことがなかったけど、でも大阪に共通する、なんかほっとする感じ....がとても好きです。


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昼の公演は、「キナリのおやつ時間コンサート」。ヴィーガン(完全菜食)料理人・藤丸志保ちゃんの手作りスイーツをいただきながら、ゆったりとした昼下がりのコンサートを楽しんでもらうというもの。今日のスイーツは、とっても濃厚なガトーショコラでした。


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ゆっくりゆっくり流れてゆく時間。
静かに音に委ねる。
慌ただしい日常の中で、ただただ音に身を浸すこの時間は、
とてもかけがえのないものです。

お越し下さったみなさん、ありがとうございました。
今日は偶然にも妊婦さんが二人。
それがこの時間をさらに特別なものにしていた気がしました。


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さて、日が傾きかけて、夜のコンサートへ。
キャンドルナイト・イベントの「くらやみカフェ」です。
ピアノにも火が灯りました。
リサイクル缶を使ったキャンドルホルダー職人「カージー」の作品
(次回のくらやみカフェ 6/25は、カージーが光の演出をしてくれます)。


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できる限り、即興で音を紡ぐ。

海へ。
漆黒の海へ。

さぶんと飛び込んだら、
敷かれたレールも、地図も、方位磁石もない。

僕は音の海を手探りしながら、泳いでゆく。


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LEDアートフェスティバル(徳島)のライブ・レポート

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今日は、「徳島LEDアートフェスティバル2010」での野外コンサート。
気候が不安定な今年の春ですが、お天気は上々。
気温は低いけど、無事に夜を迎えました。

徳島市では、「水都・とくしま」の創造を目指して、芸術文化の力を結集し、LED技術とアートが出逢う「徳島LEDアートフェスティバル2010」を開催しています。会期もあと2日。僕はセミファイナルのスーテジイベントとして、1時間のソロ・コンサートをさせていただきました。

イベント自体は、15万人を突破。夕方頃から、市内各地で光のアートが展開されています。僕のコンサートは20:30-21:30で、かなり寒くなってくる時間帯であるにも関わらず、多くのお客様がお越し下さいました。本当に有り難うございました。


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最初は、この夜の光のイメージと、人々が集う幸せな時間を即興で紡ぎ、そのまま「風のゆくえ」へ。音が風に乗ってゆく。







次は、ゲストとして川原真弓さんに登場いただき、今のこの感じを即興詩で朗読してもらい、そこに即興で音を重ねていきました。
彼女は、NHK詩のボクシングの優勝者。これまで3回ほどコラボレーションしています。彼女は「かわはらスイカ」という名前で、ピエロの活動もしているのですが、今日の昼間は一日中、駅前のデパートそごうで、ピエロのお仕事をしていたそうです。そんななか、ありがとう。

今日みたいな大きな野外ステージだと、PAを使うことになります。
ステージ上で聴こえる音と、客席で聴こえている音は異なるし、自分の弾いているピアノの生音はあまり聴こえず、もちろんスイカさんの生声も聴こえません。
彼女特有の、とつとつとした、つぶやきにも似た朗読が、ピアノとうまく調和して、お客さんに聴こえていたのか、とても心配。みなさん、どうでしたでしょうか。


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最後は、僕のソロで、「息をして」。
弾き始めの頃から、どんどん寒くなる。とにかく寒い。
指が冷たくなるだけでなく、手首、腕、肩もだんだん固くなって、動かなくなっていく....。
いつも通り、裸足なので、足も冷たい。







寒さで気が遠くなりそうでしたが、
その一方で、曲のクライマックスに向けて、内側は熱くなってゆく....。


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この寒さの中、1時間座りっぱなしで、最後まで聴き通してくださったかたも大勢いて、とても嬉しかったです。みなさん、大丈夫でしたでしょうか。

何しろ嬉しかったのは、こういう無料の野外コンサートだと、僕のことをまったく知らない人、知っていたけどこれまで足を運ぶ機会のなかった人たちに、聴いてもらえること。今日も、うちの大家さんや、たまにいくカフェのオーナーさんや、お寺の副住職さんがご家族で来てくださいました。たまたま足を止めて聴いてくださった方も大勢いらしたと思う。もちろん、いつも聴きに来てくださるかたもたくさんいらっしゃいました。みなさん、寒い中、ほんとに有り難うございました。

そして、今回、僕に声をかけてくださったスタッフのみなさん、
心から御礼申し上げます。有り難うございました!

自分の演奏が、イベントの成功に向けてちょっとでも力になれてたら嬉しいです。
明日の最終日まで、お風邪などひかずに、どうか無事に終えれますように。

明日は僕もお客さんの一人として、遊びに行きたいと思います。


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イギリス館(横浜)のライブ・レポート

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関東ツアーも最終日。今日は「横浜市イギリス館」でライブです。
僕は横浜出身ながら、横浜でライブしたことがありません。地元でやるのは何だか照れくさくて(多くの演奏家はまず地元から固めるのかもしれないけど)。
でも今日の会場は、僕の育った地域とはだいぶ離れているので、照れくさくないです。

横浜市はとても広い。僕が育ったのは山側で、今日の会場は海側。いわゆる「ヨコハマ」のイメージそのままの場所です。中華街、元町、みなとみらいがすぐ近く。会場自体も「港の見える丘公園」内にあるのですから。


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「イギリス館」のまたすぐ近くに、「山手ゲーテ座」というホールがあります。昔、僕がまだ会社勤めでモンモンとしていたころだと思いますが、あるジャズピアニストの演奏を聴きにここに来たことがあります。あのとき、いつかここで演奏したいなぁと思いました。今日、会場は隣ではありますが、演奏する立場で来れてよかった。月日は思いがけないことを運んでくるものですね。


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今日の企画は、3人のピアニストが順番に出てきて、三者三様のステージを繰り広げると言うもの。主催者のかたも、スタッフの方も、お客さんも、共演者も、僕のピアノを聴いたことがない方たちばかり。でも、僕のことを強く押してくださる方がいて、僕はトリで出演。

イギリス館は、かつてイギリス領事館だった建物。
演奏する部屋(ホール)も、昔はきっとパーティやら舞踏会なんかをしたんだろうなぁと思わせる、趣きのある空間。いまはウエディングで使われる方もいるそうです。


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ピアノのせいか、空間のせいか、今日の会場は、残響が長い。
極端に言うと、最初に弾いた音の残響がまだ残っているうちに、次の音が重なり、また次の音が重なり.......という感じ。
下手すると響きが濁る、響きがダマになっちゃって、かたまりのようになってしまう。
でも僕は即興演奏だし、オリジナル曲も毎回、違った弾き方をするので大丈夫。
最初に弾いた即興演奏も、この響きを利用して、響きの重なりを楽しむように、いとおしむように、音を紡ぎました。

「風のゆくえ」も、残響があるほうが弾きやすい曲。
だって、風って、どこからが最初に吹いた風で、どこからが次に吹いた風、だなんて境目がないでしょう。重なって、ひと連なり。海の波と同じで、1つとして同じものはない。長い残響を利用して、そんなイメージで弾くことができました。

「息をして」もとても弾きやすかった。
小さな川の流れ、大きな川の流れ、うねりになかに、自分を埋没することができた(響きの弱いピアノだと、どんなに一生懸命弾いても大きなうねりが作り出せず、自分が浮き出てしまう)。

声をかけてくださったみなさん、聴いてくださったみなさん、
ありがとうございました。
またいつか、この場所に演奏しにきたいです。


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暗闇カフェ(東京)のライブ・レポート

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関東でのライブもあと2回。
今日は先週に引き続き、カフェスローのイベント「暗闇カフェ」でライブ。
通常は、毎週金曜日の開催ですが、今回は特別に土曜日に企画させていただきました。金曜日の夜だと来れない人もけっこういらっしゃると思うので。


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ご存知の方も多いと思うのですが、カフェスローは2年ほど前に現在地に移転してきました。前は、ここからさらに10分ほど国分寺駅から遠い場所でした。あの場所にも愛着がありましたが、現在の場所もとてもいいです。建物の裏手は川と雑木林と畑です。今は窓からハナダイコンが咲いているのが見えます。


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今日は、友人の横田直人氏が夫婦で来てくれました。
もう10年前くらいになりますが、同じ職場(外資系企業のデザイン部門)で働いていたことがあります。彼は映像作家でもあり、グラフィックデザイナーでもあります。あのころと何も変わらない、彼のフリーでアーティスティックな雰囲気が僕をほっとさせてくれます。

先日、彼が、京都の老舗の着物屋さん「風彩染 一真工房」のプロモーションビデオを手がけた際に、僕の音楽を使ってくれました。「一真工房」さんも僕の音楽を気に入ってくださって、いつかファッションショーと演奏会を組み合わせようという話が持ち上がっています。

自然の中の能舞台みたいなところでできたらいいなぁ。
そんな場所をご存知でしたら、教えてください。






特別な春の日

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今年の春は、桜が長く咲いています。
旅の途中で、小田原城の桜と、岡崎城の桜を見ることができました。


焦ることなく、
ただ、ゆっくり歩き、
桜を見上げたり、
ときおり吹く風に舞い踊る桜吹雪のトンネルを歩いたり。

ただただ穏やかに流れる時間。


地面に散らばる桜の花びらが、
雨でしっとり濡れている。
それが、心もようを表しているようにも感じた。

少しずつ夕去りの時刻になり、
薄暗くなった桜並木で、花びらがほのかに輝いて見える。


訳あって、
今年の春は、特別な春です。


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山口ともさんとのガラクタライブ・レポート




今年で4回目となる「ガラクタに咲いた花 〜廃品打楽器とピアノの森の音楽会」。
廃品打楽器奏者の山口とも氏(通称:ともとも)をお迎えし、東京の「オープンガーデン・森のテラス」で開催しています。

今年はちょっと曇り空で、気温も低め。
でもなんとか雨にはならず、無事に開催することができました。


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森のテラスには、大きな大きな桜の木があり、花は満開ですが、あまりに大きすぎて花がついているのが、上のほう.....。見上げるとたくさん咲いています。足元にはチューリップがいっぱい。


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かわいい木工アクセサリーのユニット「アトリエ・キキ」の二人、
先週、長崎で共演した「菓子美呆」も出店してくれています。
お菓子だけ送ってくれれば代わりに販売するよ、と言ったんだけど、のりへいくんが、はるばる来てくれたことがとても嬉しい。


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ともさんの楽器の設置は大変。ほとんどリハ無し。
ぶっつけ本番の即興セッションを、僕も楽しみにしています。


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1曲目、即興セッション。
僕は、以前、即興と言えども起承転結をつけようとしていたのですが、ここ半年ぐらいはそれをやめました。だから、演っているほうも、どこへ行ってしまうか分からない感じ。
でもそのほうが作為がなく、可能性が無限に広がると感じています。

2曲目は、僕のオリジナル「水滴のダンス」でセッション。
だけど、原曲部分は30%ぐらい? ほとんど即興セッションでした。
これは毎年やってるんだけど、毎年、自由度が増しています。
今日も、すごいことになったね.......。


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ここまでですでに40分くらい。
前半最後は、僕のソロで「風のゆくえ」。


休憩時間は、ドリンクタイム。
担当は、小野直美ちゃん。
マクロビオティックの学校を卒業した、コピーライター。
発想がいつも面白い。番茶にフルーツのコンポートを入れたり....。
今回は、楽器をイメージしたフードを作ってくれました(開演前すぐに完売)。


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さて後半の最初は、ともさんのソロ・ステージ10分間。
そしてその後から約1時間、すべて即興セッション。

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最初は、ともさんがホースをくわえて、バケツの中の水をぶくぶくやりながら叩き始めたので、思いつきで「水中遊泳」をイメージした曲になりました。楽しくふわふわ浮いているような素敵なメロディがでてきました。何にインスパイヤされて、どんな曲になるか分からないから、面白い。

初めて共演した時は、ともさんの突拍子のない行動(あくまでも僕からしたらですが....)に、瞬時に対応でできない自分がもどかしかった。

でも今はわかる。
頭をクリアにして、心を自由にして、手足をリラックスさせて、
発想をすぐに音にする、その瞬発力が必要。


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次の曲は、ぽたぽた垂れる水音から、「雨ふり傘さし楽しいな」って感じの曲に。

そして本編最後は、無邪気に遊ぶともさんに、添えるノスタルジックでメルヘンチックな曲って感じなりました。ある瞬間、ともさんが道化師に見えたんだ。ここまでの曲で、遊ぶともさんと一緒に、僕も遊ぶ感じの曲調だったから、この最後は僕は遊ばず、ちょっと客観的な立ち位置から、映画の1シーンのような演出がしたくなった。このシーンが、みんなの心にずっと残るといいなと、感じながら。


続いてアンコール。
もうすごく寒くなってしまったので、短めのセッション。
ちょっと人を食ったような、かわいいセッションになりました。


お越し下さったみなさん、本当にありがとうございました。
天候が悪いのは僕のせいじゃないけど、主催者として、お客さんに寒い思いをさせてしまったことは、謝らねばなりません。ごめんなさい。
またぜひお越し下さいね。お待ちいたしております。


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TOUMAI(東京)のライブ・レポート

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今日は高尾にある「TOUMAI」でのライブです。
ライブの前に、高尾山のふもとを散策。
虔十の会」代表の坂田昌子さんの案内で、春の息吹を感じながら歩きました。

高尾は、日本一小さな国定公園なのに、日本一植物が多い。
イギリス一国分に相当するそうです。


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しかし、ご存知の方も多いと思いますが、高尾山にトンネルを掘って、道路を通してしまおうという計画があります。都内の渋滞を緩和するためというのが理由だそうです。
渋滞を緩和する方法はいくらでもあるでしょう。でもそこにある自然、そこにある命は1つだけ。渋滞という非常に人間だけの都合で、二度とは戻らない自然を、地球を破壊していいものか。

この国の事情はいつだってそうですが、他者の命よりも己の利権を優先する人々の都合で、様々な破壊が繰り返されている。その結果が、いま山積みになっている社会問題の数々。

自分の子や孫を誰よりもかわいがる政治家が、
その一方で、自然を破壊する政策を推進し、子どもの生きにくい社会を作っている。
自分の家の横に原発や基地は作って欲しくないけど、他人の家の横なら別に構わない。
汚れがよく落ちるからと、自然を破壊する洗剤を使う。
安上がりだからと、添加物たっぷりの食品を生産し、販売する。

人間とはそういうものでしょうか。

誰でも、自分はかわいい。
自分の利益が大切だ。僕もそうです。利己的になることもある。

だけど、命にとって替わるものはない。
死んだらおしまいだ。僕もあんたも。

命よりも何かを優先する世の中に、これ以上なっていかないように、
小さな活動でいいから、自分のできることを地道にやっていきたい。

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今日、印象に残った話。
「この木は、今、死に向かっている」という。
でもすぐに死ぬ訳ではなく、
何百年もかけて育ち、何十年もかけて死んでいく。
だから、どこからどこまでが生で死なのか、境目は曖昧であると。

だからきっと、僕もいま死に向かっているのだ。
自分の老化現象を感じ始めるのは、20代後半ぐらいからか。
そこから少しずつ死は始まっているんだ。
残りの生をどう使うか、それは自分次第だ。

今日のライブは、そんな想いで弾きました。


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暗闇カフェ(東京)のライブ・レポート

100402_01.jpg九州ツアーを終えた後、一日だけ家に戻り、すぐに東京へ。

昨日から東京ツアー。今日は4連続ライブの2日目。
おなじみ、国分寺のカフェスローの恒例イベント「暗闇カフェ」です。

暗闇カフェは、約9年前にカフェスローが開店したすぐあとに始まったイベント。アメリカのブッシュ大統領(当時)の原子力政策に反対して、「電気を使わないで過ごす時間を作ろう」ということで始まりました。
今や全国規模のイベントとなった、毎年夏至に行われる「100万人のキャンドルナイト」も、このカフェスローの呼びかけがきっかけととか。
毎回、「暗闇演出人」という名前で、様々なアーティストが音楽その他によって暗闇を演出しています。僕は、6年ほど前から出演していて、数えてみたらもう38回目です。

暗闇というのは、妙に緊張感があります。夜の小道がちょっと怖いのは、誰もが経験したことがありますよね。
暗闇カフェでの演奏も、ふだんの演奏より少し緊張してしまいがちです。30回ぐらいまでは、2回に1回ぐらいは緊張していました。でも30回を越えた辺りから、リラックスして弾けるようになりました。

漆黒の海を、溺れないで泳げるようになったというか。
この海に、波紋のように広がる音の響きを、自分と相手の間にあるものとして、心地よく受け止めれるようになったのかな。
この感覚を言葉で言うのは難しいけど。

すべてを信じられるようになったのかもしれません。
音の存在も、聴く人の存在も、己の存在も。

僕はいろんなところで演奏していますが、なかでもこの暗闇カフェでの演奏を、特別に楽しみにしてくれているお客さん・友人がたくさんいます。
今日も、たくさんのかたが来てくださいました。

みなさん、ありがとう。
また一緒に、暗闇を共有しましょう。


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